子供の英語学習の最先端!?CLILを利用した英語学習法とは

近年ヨーロッパでは、クロスカリキュラー・アプローチの一つであるCLILという英語教育法が急速に広まっています。これは、理科や社会などの教科学習と英語の語学学習を統合したアプローチです。新しい子供の英語学習法として注目を集めているため、今回は詳しくそれについて説明したいと思います。

クロスカリキュラー・アプローチとCLILについて

クロスカリキュラー・アプローチとは、簡単に言うと、”科目の枠を超えて、個人の経験と教科的な要素を両立”し、”指導者のリード+子どもたちの主体性のバランスをとった”カリキュラムによるレッスンのことです。

指導する側が、従来のように、一方的に内容を確認しつつ伝達していくスタイルではなく、子どもたちの主体性も重視する割合が高いのが特徴です。

細かく分けると下記のような特徴があります。

・子どもたちが自分の経験・感じたことなどから、自分なりの考えをまとめてみる
・対象に対する他者の意見をしっかりと聞き、自分の意見も伝えることで、さらに思考を深める
・グループなどで協働し、学習をまとめていくことで、今後の課題を意識する。

CLILは、Content and Language Integrated Learningの略称で、「内容と言語の統合型学習」を指す言葉です。

上記のクロスカリキュラー・アプローチを言語学習に応用した形で、具体的には、教科などの知識的なトピックと英語学習を、思考力の育成に主眼を置きつつ、同時に行っていく学習メソッドです。

ヨーロッパでは、すでにその有効性を認められて定着していましたが、日本でも、上智大学の池田真教授が、この方法の第一人者として普及に努められ、近年、注目を浴びるようになりました。

3つのポイントがあるので整理すると、

1.子ども達から、思考を引き出すような興味深い内容をテーマとする
2.実用かつ教養豊かに十分な量のインプットを行っていく
3.一方的でなく、子ども達の発話を促す流れになるため、インタラクティブな空間が生まれる

この3つのことを徹底することで、”自分自身で思考し、さらにその成果を他者と共有していく過程で、記憶への定着度が高まる”という効果があるのです。

日本の子どもたちの英語学習にも、この「新しい課題に対して、英語”で”実際に学びつつ、その内容をしっかりと消化・内在化していくCLIL学習をできる限り取り入れていってほしいと思っています。

小学校年齢でCLILを活用するポイント

小学生に英語を教える様子

CLILのように、内容や思考を重視した英語学習を行う場合、最も指導する側が重視しておくポイントは3つです。

1.都度、個人の興味関心、英語レベルや年齢によって、柔軟に対応出来ること。
2.スパイラル方式のリピート学習によって、徐々にレベルを上げつつ、関連する様々な場面で、既習事項を含めたインプットが可能なこと。
3.さらに、一元的でなく、個々の学習者にとって興味の強い部分から導入し、次第に内容を拡大させていくよう工夫すれば、様々な角度から認知の深層部分へと働きかけること。

能力は一元的に測れるようなものではなく、それぞれの子どもが特に興味を示しやすく、学びやすい分野が異なっています。

一人一人の子どもをよく観察し、学び方を把握して、あることを学ぶ際には、最初、その分野を手掛かりにして他の分野へと広げていくことを意識してみましょう。

その子にあったアプローチをすることで、子どもの参加への意識や態度、集中力がぐんと変わってきます。

 コンテンツベースの教材選定・作成の際には、国内のESL用教材だけでなく、海外のオンライン教材等についても、指導者は、常に積極的な情報収集を怠らず、対象者にふさわしいアレンジを心がけていくことが最も大切だと思います。

一つの題材に対し、様々な角度からのアプローチで、関連する事項への含んだ幅広い学びができる内容かどうかに着目し、マインドマップなどを活用して、しっかり検討する必要があります。

子供の英語教育の具体的な方法論


厳密に、メソッドとしてCLILのすべての要素を満たしながら英語の授業を組み立てていくのは難しいため、実践しやすい小学校レベルでの英語教育の方法論をご提案してみます。

1. 【Reading for Fun】自由読書から子供の興味を把握する。
2. 【Revision/ Comprehension】年齢によって、その本のテーマを抽出し、数字や色、時間的概念などと組み合わせたアクティビティを行う。場合によっては、英語でのクラフトやクッキングなどにも発展可能。
3. 【Language】関連する言葉や表現、同意語・反意語などを様々まとめて紹介しつつ、実際に使わせてみる。対象年齢を考慮した、教科別の英英辞典やオンライン辞書をフル活用するのも有効である。
4. 【Science】関連するFactへと広げ、そちらについての読書を促して色々な英文スタイルへ触れる機会を作る。
5. 【Music & Language】いくつか関連する歌を歌い、その歌のアクティビティも行う。(教科に分類した歌の本なども手元に用意しておくと、尚可)
6. 【Social Studies】派生して、特定の地域や文化・歴史などにも目を向けさせる。
7. 【Discussion】テーマの中で、特に興味を持った事柄について話し合う場を設ける。

学習の中で、繰り返しインプットされてきた英語を、実際に使いこなすための橋渡しとして、コンテンツベースで、英語で学べるという自信を与える。

と同時に、受動的に英語で情報を得るだけでなく、発信者として表現すること、他者と共有する目標に向かって、スピーキングやライティングといった、アウトプットへのモチベーションを高める」働きかけが重要です。

 コンテンツベースのアクティビティを中心に学びを深める過程で、様々な形でのリピート学習が可能になり、内在的な長期記憶として、言語・内容ともに、効果的な定着を促すことができるでしょう。

終わりに

日本の子どもたちは、”使える”英語力を身につけるには、あまりにも圧倒的なインプット量不足であることは否定できません。ましてや、英語”で”学ぶ経験は、よほど意識的に取り組む機会がなければ、通常の状態では、皆無と言ってもいいくらいだと思います。

一つのテーマを色々な角度から掘り下げ、理科・算数・地理・アートクラフト・音楽(歌)などの教科学習も取り入れつつ、様々なアクティビティを通して、クロスカリキュラム的に英語で「思考」したり、ディスカッションやプレゼンテーションしたりすることを通じて、英語を言葉のツールとして「共有」するという経験を、できる限り多く与えてあげたいものですね。

Aya

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上智大学を在学中にダブルスクールでロンドン大学に留学。卒業後は教育のインストラクターとして出版社に勤務し、現在は英語教育のプランやレッスンの提供するサービスを準備する傍ら、各種メディアにて英語教育に関する記事を執筆している。自らも娘を英語ネイティブのバイリンガルとして家庭で教育中。

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