海外生活をするときに幼児に外国語を習得させる方法

海外で英語を教育

現在海外で生活する我が家には、幼稚園に通う子供がいます。大人と比べて子供は語学の習得が早いと言われますが、それでも全く未知の環境で奮闘するのは一緒です。大人のように予備知識や蓄積された経験が少ない分、予期しない出来事に直面する可能性は高いのです。

今回は小さい子供を持つ親として、海外で生活中の子供の語学習得にあたって留意すべきポイントを、個人的な視点からご紹介したいと思います。

語学は「学ばせる」べきなのか?

これは結論から言ってしまえば「No」です。ただしこれは就学前の幼児に限った話ではありますが・・・。

もちろんこれは、外に出れば外国語での生活が待っているから、ということが大前提にあります。それに加えて、小さいお子さんと触れ合う機会のある方なら分かると思いますが、就学前の子供の集中力は短時間しか持続しません。大好きなことをやっていても、せいぜい30分一生懸命できれば上出来といったところ。語学を「学習」させるのには無理があります。

ですので幼い子供の場合は、通常の学校に加えて語学だけを勉強させることは難しいのが実情です。更に言うと、なかなか外国語が覚えられないからといって無理強いするのもNG。そのせいで、口を開かなくなっては元も子もありませんからね。

我が家の場合は、家の外では挨拶以外は口を開くことを強制せずにやってきました。たとえ自分から言葉を発しなくても、子供の中には確実に語学情報が蓄積されています。そして子供自身が「準備OK」と感じたタイミングで必ず喋りだすようになるので、気長に見守るという方針をとったのです。

ちなみに我が家は幼稚園で先生やお友達に対して口を開くのに、1年強かかりました。子供によってかかる時間に差はあると思いますが、ここは子供を信じて見守る方が良いと思います。

外国語の習得に優先順位を置いた方が良いのか?

カタコトであっても、やはり子供は一旦外国語を口にし始めると、どんどん上達して行きます。子供の方が外国語の習得が早いというのは、その通りだなと海外生活では実感します。

側で見ていると、子供は大人のように外国語を聞く→一旦日本語に変換→日本語訳で理解する、というプロセスをとらず、外国語をそのまま理解するようです。ですので、元々語彙も少なく「翻訳機能」のついていない大人に比べて、その分語学の習得が早いのでしょうね。

ただし、ここでの落とし穴は日本語の語彙が「元々少ない」というところ。放っておくと、接触する時間の長い言語がメインの言語として子供の頭を占め、そっちを喋ることが習慣づけられてしまいます。

ですので、学校で過ごす時間が長く喋る相手も格段に多い外国暮らしでは、新言語の習得がある程度進んだら、親の役割は家庭において「日本語の語学力の維持」に注力することに転じて来るのではないかと感じています。

特に喋ることが中心で、文法のルールも気にする必要がない幼い子供なら、母語である日本語を正しく理解させることの方が、家庭においては重要だと思います。

どんな場で言葉を覚えるか

海外の幼稚園

もちろん、一番言葉を覚えるのは学校での生活によってです。先生が子供達に言い聞かせること、子供達同士での会話の中で出て来るフレーズがまず最初に口まねとして出てきます。ちなみに我が家では「静かにしなさい」「良くできたね」「えらいね」といったフレーズが子供達の口から最初に出てきました。

その次は歌です。学校で習う歌もありますし、テレビを見せていると主題歌を覚えてしまいます。主題歌のみならず、アニメーションでは年齢に合わせた会話を覚えるために、視聴時間を考えながらテレビをツールの一つとして使うのは良いかもしれません。

それから面白いと感じたのは良く行く商店やスーパーなどで聞くフレーズをすぐに口まねできるようになったこと。「ありがとうございました」「いくついりますか?」「またご利用ください」などと言う言葉が出て来た時には驚きましたが、笑ってしまいました。

言い換えればこれらの事例は、全て「繰り返して何度も聞いているフレーズ」ということでもあります。ですから、もともと幼い子供はある程度決まった生活パターンを保持することが重要と言われていますが、それは言語を覚えるという面においても有効だということができます。

終わりに

大人でも、一日中母語でない言語に触れ続けているのは疲れるものです。それは子供も同じ。ネイティブと同様のレベルにでもならない限り、それは変わりません。

ですから外国語の習得を急ぐ以上に、子供の心のケアや母国語の環境をしっかり作って彼らが安心できる場所を作ってあげることが、特に外国暮らしでは重要だと思います。

佐々木希世

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高校からの10年をアメリカで過ごし帰国。外資系コンサルティング会社や大学院勤務を経て、コミュニケーション設計のプロフェッショナルとして独立。職場における関係者間の意思疎通をスムーズに行うことで生産性を上げる方法などを、著書やワークショップを通じて提供している。フリーライターとしてもビジネス書からママ向けオンライン・マガジンへの寄稿など、幅広い分野で執筆活動を行っている。

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