子供の英語教育で欠かせないナースリーライムのご紹介

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ナースリーライム

赤ちゃんや幼児英語について調べていると、出会う機会が多い割には、何のことかあまり馴染みのない「ナースリーライム(Nursery Rhymes)」という言葉に気付かれる方も多いかと思います。

ナースリーライムは、英語の童謡や子守歌・手遊び歌や遊戯歌(=日本の「かごめかごめ」や「通りゃんせ」のように、遊びながら歌う歌)・月や数の呼び方など、何かを覚えるための歌・ストーリー性のある歌の総称で、その数は、現在わかっているだけでも、1000を超えるだろうと言われています。

(なお、イギリスでは、ナースリーライムと呼びますが、アメリカでは、「マザーグース(Mother Goose)」という呼び方のほうが、より一般的だそうです。)

今回は、この「ナーサリーライム」の簡単な歴史的背景をご紹介しつつ、子どもへの英語学習への効果をお話ししてまいります。

 

1:ナースリーライムの歴史

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英語圏の子ども達が、生まれてすぐからずっと親しんでいる、口承での文学ナースリーライム。聖書やシェイクスピアと並んで、今も英語圏の文化に深く根ざし、文学にも影響を与えています。

日常生活の中でも、ふと目にしたり、耳にしたりと、どこかでナースリーライムをベースにした表現に出会うこともあるかもしれません。

これほど言語文化の一端を長い間形作ってきた、膨大な数のナースリーライムですが、一体誰が作り、どのようにして伝えてきたのでしょう?

実は、誰が作った、というのがはっきりしているものはほとんどありません。

そして、今でこそ簡単に、外国人である私たちも聞ける環境が整っていますが、もともと18世紀後半頃までは、ナースリーライムは、ずっと親から子へと口伝えで歌い継がれてきたものでした。

ですので、同じ歌でも、地域や年代によって、いろいろなバージョンが存在することがあります。

子供にとって面白くない歌や、難しい歌は自然に淘汰されていき、現在まで受け継がれているものは、それだけ、英語圏の文化・言葉のエッセンスが詰まった、価値あるものだといえるでしょう。

2:ナースリーライムの「ライム」とは?

ナースリーライム

上記で、前半のナースリー(nursery)の部分についてはご紹介しましたが、後半のライム(rhymes)とは、どのようなものでしょうか?

ライムは、言葉の最後が同じ音で終わる、「押韻」を指します。漢詩にも同じような用法がありますが、英語のナースリーライムや詩の多くでも、この同じ音によって作り出されるリズムの良さを楽しむことを、とても大切にしています。

わかりやすく、単語単位での押韻を見てみると、”A fat cat sat on a mat”といった具合です。スペリングが異なっても、音が同じであれば、押韻になります。以前、私の娘がくまのプーさんのことを、”Pooh is funny, he loves honey”と言っていたことがありましたが、”funny”も”honey”も、同じ「ニー」の音で終わる言葉同士ですね。

⇒それでは、実際に、詩の形態の中でライミングワードを見つけてみましょう。

以下は、”Hey Diddle Diddle”と呼ばれる、とても有名なナースリーライムで、私が初めて覚えたもののうちの一つです。
(※細部が異なるバージョンもありますが、わかりやすいものを選んでいます。)

Hey Diddle Diddle,
The cat and the fiddle,
The cow jumped over the moon,
The little dog laughed
to see such fun,
and the dish run away with the spoon.

いかがでしたか?

”diddle”の最後、”le”(最後の’e’はサイレントレターで、発音はしません)と同じ音で終わる、2行目の”fiddle”がライミング・ワードになっています。

”moon”は、長く伸ばす「ウーン」ですから、一番下の行の”spoon”がこれと同じ音で終わっていますね。

それでは、もう一つ、”Twinkle twinkle, little star”をライミングワードを探しながら、味わってみましょう。

Twinkle twinkle, little star,
How I wonder what you are,
Up above the world so high,
Like a diamond in the sky,
Twinkle twinkle, little star,
How I wonder what you are.

先ほどと同じように、ライミングワードを探してみましょう。

一行目の終わり、“star”は“ar”(「アー」)の音で終わるので、2行目の”are”が韻を踏んでいますね。

三行目の終わり”high”は、「アイ」で終わりますので、スペリングは違いますが「sk-アイ」となる”sky”が押韻となります。

韻を踏む音に対する意識を育てることで、語彙を豊かに育てるきっかけになるといいます。(後々、スペリングやフォニックスを学ぶ際に、大いに役に立ちます。)

3. ナースリーライムに親しむメリット

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ナースリーライムに触れていくと、ー文化や歴史に関連する事柄について学べたり、ー文学や日常の随所で出会う表現のルーツを知ることができます。

そのほか、ー英語独特のリズムをあまり苦労せずに体得することができるようになる、というのが大きなメリットではないかと思います。

日本人は、体のどこかで、5と7を組み合わせたリズムを自然に身につけて大きくなっていきますね。英語にも、強拍と弱拍が織りなす独特のリズムがあり、これは2と3の拍の組み合わせで構成されます。

ナースリーライムには、日常で使われている、”英語らしい”リズムがそのまま反映されています。

日本人は、3拍子を取るのが苦手で、英語も日本語のリズムに乗せて喋ってしまいがちだなどとよく言われますが、ナースリーライムを学ぶことで、自然と、実際に使われている”言葉としての英語”の深層に染み込んでいるリズムに対する感受性を高めて、感覚的に身につけることができるようになっていきます。

リズムが取れるかどうかで、リスニング及びスピーキングの習得に大きな差が生まれます。

改めて先ほどのナースリーライムを強拍・弱拍を意識しながら読んで、英語のリズムを感じてみてください。

Hey Diddle Diddle,
The cat and the fiddle,
The cow jumped over the moon,
The little dog laughed
to see such fun,
and the dish run away with the spoon.

4. ナースリーライムの注意点

子供の英語教育

ナースリーライムの中には、ナンセンスソングもかなり多いことや、古い言い方のままのもの、外国語として勉強している子どもたちには、何のことか全く意味がわからないような難しい単語がたくさん含まれている場合もあります。また、歴史に関連するものの中には、残酷なものもあります。

リズムを体得させようと、0歳や1歳のうちから聞かせたり、自然と口ずさむことがあっても、意味がわかっていなかったり、日本語の基礎が完成した頃になってから聞かせ始めると、途端に「つまらない」となってしまう可能性があります。

このような場合は、少し工夫が必要で、最初、月や曜日、数の数え方などを覚えるものや遊びながら歌うもの、子守歌などに限定して与えていく必要があります。

まとめ

ナースリーライムは、現在、ネイティブの子ども用・第二言語用に編集された挿絵のついた本/CD/DVD等、いろいろなメディア形式で手に入れることができます。ウェブサイト上でも、音声とスクリプトが無料でたくさん手に入ります。

また、幼児教材セットなどに含まれているものは、日本の子どもたちに合うものを専門家が選んで入れていますので、最初の一歩として、安心して取り入れることができると思います。

上でご紹介してまいりましたポイントを押さえつつ、ぜひお子さんと一緒にナーサリーライムに親しんで行っていただければと思います。

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