日本とアメリカのオフィスワークや仕事への考え方の違い

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高校から10年間アメリカの各地で生活してきた私がお送りする、「アメリカのリアルな生活事情」のコラム。第七回は日本とアメリカのオフィスワークの違いについてご紹介したいと思います。




 

呼びかけはファーストネームが基本

日本の職場であれば、通常同僚や上司への呼びかけは名字に「さん」をつけたり、または「部長」「課長」などの役職名をつけて呼びかけるのが普通ですよね。

一転してアメリカの職場では、ドラマや映画などで見て知っている方も多いと思いますが、基本はファーストネームでの呼びかけです。社歴、肩書き、年齢、性別、それ以外の何にも関わらず、ほぼ全員がファーストネームで呼び合います。

もしかしたら、入社したばかりの大企業の新入社員が雲の上の存在である社長に “Mr.” や “Ms.”をつけることはあるかもしれません。けれどこれはきわめて稀な例。職場の雰囲気は、とてもフレンドリーなのがアメリカのオフィス風景です。




「同期」はいません

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アメリカの企業では、日本のように新年度に一斉採用をするということはほぼなく、空きポストが出た所で人員を補充する通年採用が当たり前です。ですので、たまたま同時期に数人が採用されたということはあっても、同じ年齢のグループが同時期に入社する「同期」という概念はありません。

また、後述しますが新卒を含め社員のそれぞれはスキルを持った「即戦力」として雇うということが前提にあります。従って長期の社員研修などもなく、なかなか部門横断での「横のつながり」ができにくいと言えます。

定時に帰るのが当たり前

これもすでにご存知の方も多いかもしれませんが、アメリカのオフィス・ワーカーがほとんど残業をしないというのは、本当です。

一番大きな理由は、日本でも普通に聞かれるようになった「ワークライフバランス」を大事にするということだと思います。仕事とプライベートの線引きはしっかり引き、どちらも同様に大事にするということです。

私がアメリカの企業で勤務していた時も、定時が来るとみんな面白いほどスパッと仕事をやめて帰り支度にかかっていたものです。残業するのは、のっぴきならない理由がある場合のみ。それでも、これ以上ないほどの不快感を体中に表しながら残業していたものでした。

もちろんこれは普通の企業で働く会社員の話で、自分で起業した人たちや、忙しいベンチャー企業で働く人たちはそうではないかもしれません。にしても、定時が来たらできるだけ早く仕事を切り上げて帰ろうという姿勢は変わりません。

日本のようにサービス残業が横行していたり、定時後にならないと社内が静かにならないから・・・というような理由で自ら進んで残業することはないのが、アメリカのオフィスです。




誰もが「その道のエキスパート」

アメリカの人たちは、大学在学中から「私はこの道でキャリアを積んで行く」という目的意識を非常にはっきり持っています。またアメリカの一般企業では、どの職種においても採用時にはJob Descriptionと呼ばれる職務内容を明確にした書類を提示して雇用契約を結ぶのが普通です。

ですからどの社員も多かれ少なかれ、「私はこの仕事のエキスパートとして雇われている」というプロ意識を持って働いています。もう少し意地悪くいうと、これはJob Descriptionに書いてあること以外は基本的にはやらない、ということでもあります。

ということは、誰もが責任を持って自分の仕事を遂行する一方、日本の職場のように職責を越えて同僚同士で仕事を手伝ったり、助け合ったりということはあまり行われないのです。

「会社飲み」はほとんどない!

冒頭に書いたように、アメリカのオフィスではみんなとてもフレンドリー。ファーストネームで呼び合い、家族の話も良くします。

・・・ところが。不思議なことに仲が良いのはオフィスの中でのこと。就業時間になると、みんなさっさと自宅を目指して帰ります。チームや同僚、部署ごとの飲み会というのはほとんどありません。

ごくたまに、「じゃあ帰りに1杯」ということがあっても、文字通り1杯「お疲れさま!」とやったら解散です。その後で杯を重ねて、仕事の愚痴や上司の悪口で盛り上がる・・・なんていうことはありません。

仕事返りに飲みに行くことは全くないの?といえば、そういうわけでもありません。その場合はプライベートの友人と行くのです。

これも「ワーク」と「ライフ」の線引きはしっかりしているという所から来ているのでしょう。フレンドリーにしていても、同僚は競争相手でもある、というアメリカのオフィスの厳しさが垣間見える瞬間です。

終わりに

私が勤務していたのは金融会社で、従事していたのはいわゆる「ホワイトカラー」と呼ばれる職種です。ですので、アメリカのすべての「職場」において今回の話が当てはまるわけではありません。職場の外での同僚の結びつきが強い職場もあるでしょうし、残業の多い職場もあるかもしれません。

アメリカでの就職を考えている方は、いろいろな情報に加えて、このお話も参考にして頂ければと思います。

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