2007年公開、ジョン・カーニー監督によるアイルランド映画。
ストリートミュージシャンの“彼(ガイ)”と、チェコ移民の“彼女(ガール)”が、
音楽を通して心を通わせる7日間を描いたラブストーリーです。
主演のグレン・ハンサードとマルケタ・イルグロヴァは実際のミュージシャンで、
劇中歌「Falling Slowly」はアカデミー賞歌曲賞を受賞。
英語はアイルランド英語(Irish English)がベースですが、
語彙や文法はシンプルで、音楽のリズムと英語のリズムを同時に楽しめる作品です。
“Take this sinking boat and point it home.”
(沈みかけたこの船を、家へ向けて進ませよう。)
名曲「Falling Slowly」の一節。
シンプルな語彙なのに、心に沁みる比喩が美しいフレーズです。
- take this sinking boat
=沈みかけの船=「ボロボロの自分」「迷っている心」の象徴 - point it home
=家に向ける=「戻るべき場所へ向かう」「希望の方向へ進む」
→point 〜 home のように home は副詞扱いで前置詞なしで使えます(重要!)
音楽×恋愛映画らしい“弱さと強さの共存”が伝わる比喩表現。英語学習としても 短くて覚えやすい 文構造です。
“I listen to you. And I believe you.”
(あなたの話をちゃんと聞いてる。そして、あなたを信じてる。)
彼女が彼に向けて言う、静かだけれど力強い一言。
恋愛映画らしく、短い言葉に感情が詰まったセリフです。
- I listen to you. は現在進行ではなく現在形。
→「いつも」「日常的に」あなたの声を大事にしている、というニュアンス。 - I believe you.
→「信頼」の核心をシンプルに伝えるフレーズ。
believe you / believe in you の違い
→ believe you = 言っている内容を信じる
→ believe in you = あなたの存在・力を信じる
心の距離が近づいた瞬間にぴったりの英語です。
“You’re breaking my heart.”
(あなたは私の心を苦しめてる。)
恋愛映画ならではの切ない一言。
『ONCE』の淡くて苦い関係性を象徴するフレーズです。
- break someone’s heart
=「心を痛める」「辛い思いをさせる」→恋愛の「切なさ」を表す万能表現です。
英語では恋愛の文脈で頻出の表現。日本語の「つらいよ」より、もっと感情をそのまま伝えます。
🗝 例文:
You’re breaking my heart, but I understand.
(つらいけれど、わかってるよ。)

この映画で英語学習がしやすい理由
① セリフが短い・間が多い
会話がゆっくりで、聞き取りやすい。
② 歌詞で英語の美しい比喩が学べる
“sinking boat” のように、感情を比喩で表す英語が自然に身につく。
③ アイルランド英語のリズムが優しい
発音は少し特徴があるものの、文法は非常にシンプル。
④ 感情をストレートに伝える英語が多い
恋愛映画らしさ+音楽映画らしさの両方を味わえる。
英語学習者には 初級〜中級者向け
まとめ
『ONCE ダブリンの街角で』は、音楽と言葉が心をつなぐ映画 。
- 会話は静かで自然
- 歌詞が詩のような英語で美しい
- 恋愛の心の揺れを伝える英語がたくさん
- 英語学習者には 優しい難易度
何度も観ることで、セリフと音楽の両方が
あなた自身の人生に寄り添う“宝物”のようになる映画です🎸












