
2015年公開の『インサイド・ヘッド(Inside Out)』は、ピート・ドクター監督によるピクサー映画。主人公は11歳の少女ライリーですが、実際のストーリーは彼女の頭の中で働く「感情たち」が中心です。Joy(ヨロコビ)、Sadness(カナシミ)、Fear(ビビリ)、Anger(イカリ)、Disgust(ムカムカ)が人格を持って登場し、ライリーの行動や気持ちを操縦しています。
映画は、ライリーが引っ越しを経験することで心のバランスを崩していく過程を描き、「悲しみの価値」を見直させてくれる感動的なストーリーです。
英語学習の観点では、子ども向けの作品なのでセリフはシンプルですが、感情を表すボキャブラリーが豊富。特に日常会話に役立つ「気持ちを言葉にする英語」がたくさん登場します。
①“Crying helps me slow down and obsess over the weight of life’s problems.”
(泣くと、人生の問題の重みをじっくり考え込むのに役立つの。)
Sadness(カナシミ)のセリフ。ネガティブに聞こえるますが、「泣くことで立ち止まり、物事の重みを受け止める」ことを示した、とても深い言葉です。
・crying helps me …:「泣くことで〜できる」 ”helps me … “は「〜するのに役立つ」という便利表現です。
例:Reading helps me relax.(読書はリラックスに役立つ。)
・slow down:「立ち止まる/落ち着く」
・obsess over …:「〜についてくよくよ考える」。「必要以上に考える」ニュアンスで、ややネガティブですが日常でも使えます。
②“Take her to the moon for me, okay?”
(ライリーを月に連れて行ってあげて。お願い。)
ライリーの空想の友達 Bing Bong の言葉。子どもの夢や友情が詰まった、涙なしには聞けない名セリフです。
・take A to B:「AをBに連れて行く」
・for me:「私のために」。シンプルですが感情が乗りやすく、感謝や願いを込めて使えます。
字幕と原文のニュアンス
・セリフ①は字幕では「泣くと人生の問題をじっくり考えられるの」と訳されます。
→ 原文の obsess over の「くよくよ感」は少し和らげられています。
・セリフ②は直訳に近いですが、for me の「自分の代わりに」という響きが切ない余韻を残します。
『インサイド・ヘッド』をおすすめしたい人
1. 感情表現を英語で学びたい人
・喜び・悲しみ・怒り・恐れ・嫌悪がキャラクターとして登場するので、英語の感情表現が自然に身につきます。
例:I’m so disgusted!(もううんざり!)
2. 気持ちを上手に言葉にできないときがある人
・「悲しい気持ちには意味がある」と教えてくれる映画。
・英語だけでなく、自分の感情をどう表現するかを考えるきっかけにもなります。
3. 子どもと一緒に映画を楽しみたい人
・セリフはシンプルでテンポもよく、子どもでも理解しやすい。
・大人にとっても「感情の役割」という深いテーマが心に刺さります。
家族みんなで観て感想をシェアするのに最適です。
4. 前向きになりたい人
・悲しみや不安にとらわれているとき、この映画は「泣いてもいい」「それが大事な感情だよ」と優しく包み込んでくれます。
・観終わる頃には、ちょっと心が軽くなるような感覚になれるはず。
まとめ
『インサイド・ヘッド』は、子ども向けに見えて実は大人に深いメッセージをくれる映画。
・感情表現のボキャブラリーが豊富
・セリフが短くシンプルで暗唱にぴったり
・子どもも大人も楽しめるため、英語学習に最適
英語学習的には 初心者〜中級者向け。特に「気持ちを伝える表現」を学ぶ教材としておすすめです!