
映画で英語を勉強するなら、基本は時代に合っている作品の方がおすすめです。とはいえ、たまにはクラシカルな映画で上品な英語を聞いてみるのも乙でしょう!
往年の大女優オードリーヘップバーンの代表作『ローマの休日』は、意外と易しい英語レベルで、初級者さんにもおすすめ出来ます。それでは、『ローマの休日』のセリフから、一緒に英語を学んでいきましょう♪
映画『ローマの休日』が英語学習におすすめの理由
1953年に公開された映画『ローマの休日』には、現代の日常会話としても使える英語表現がたっぷりと使われています。「あまり古い映画は日常会話を学ぶのに向かないのでは?」と思う方も多いですし、実際私も現代に設定されている作品をすすめることの方が多いです。
しかし現代になるほどスラングも多く、流行の表現についていけないデメリットもありますよね。その点、『ローマの休日』は、スラングが少なく丁寧でゆったりとした英語が中心。そのためネイティブのナチュラルな会話に慣れていない初心者の方でも、すんなりと入ってきやすいのです。
流行の表現やスラングを学ぶには現代の作品が合っていますが、映画で英語を学ぶ上でもっとも重視すべきは″レベル″です。聞き取れる単語が少ないと、それだけモチベーションも下がってしまいますよね。
焦らずやさしいレベルからスタートし、徐々にステップアップしていきましょう!
映画『ローマの休日』名言に学ぶ英語表現
ここからは、映画『ローマの休日』で実際に使われているセリフをピックアップしてご紹介します。日常ではどのように活用するのか?をポイントにお伝えしていきますので、どんどんアウトプットしていってくださいね!
I’m very glad to know you.(お知り合いになれてとてもうれしいです)
初めて会った人に対して使える丁寧な表現です。丁寧ではありますが、特別古臭い表現ではないので、ビジネスの場やオンライン英会話でぜひ使ってみてくださいね!
So I’ve spent the night here – with you?(では、一夜をともにしたのね?……あなたと)
映画前半、主人公アン王女が目を覚まして冷静になり、ジョーと会話をするシーンです。「一夜をともにした」に他意は無く、アン王女のピュアさが面白くも可愛らしいですよね。このセリフで使われている「I’ve spent~」は「(時間を)費やす」の意味で、さまざまなシチュエーションで応用可能!
- I’ve spent 2years to study English.(英語の勉強に2年を費やした)
- I’ve spent the last decade saving this money.(この金を貯めるのに10年かかった)
『ローマの休日』のセリフは直訳すると「ここでひと晩費やした」ですね。人生をかけて費やした時間、何かにかけた時間を表現するときにぜひ使ってみてください。
I’m quite sure thank you.(私はいたって本気でございます)
ばっさりと髪を短く切ろうとするアン王女に美容師が「本当にいいの?」と聞いて返すセリフです。「I’m quite sure」はそのまま「本気だよ」として日常的に使われている表現のひとつ。似たような表現で「I’m pretty sure」がありますが、「I’m quite sure」の方が強いニュアンスになります。
Oh, you can’t imagine. I’d like to do whatever I liked, the whole day long.(あなたにはわからないと思うけど。したいことをするの、一日中ね)
「どんなことがしたいの?」と聞くジョーに返したセリフです。「I’d like to~(~がしたい)」も頻繁に使う日常表現ですが、「whatever (なんでも)」も覚えておきたい単語!
- whatever you want(あなたの欲しい物はなんでも)
- whatever you like(あなたの好きな物はなんでも)
このほか、興味のないことに対し、「Whatever(どうでもいいよ)」という意味でも使える単語です。
You beast! it was perfectly all right. You’re not hurt!(ひどい!なんともないじゃない!)
有名な『真実の口』のシーンで使われているセリフですね。「You beast!(ひどい!)」に注目する方が多いと思いますが、スポーツの試合などでめちゃくちゃうまい人に褒め言葉としても使われるスラングです。褒め言葉のスラングは意外と多く、最近では「bicth」が「いい女」としてしばしば使われるケースも。もちろんシチュエーションには気を付けなければいけないのですが、映画を観る時にはネイティブがどのようなニュアンスやシチュエーションで使っているのか?に注目すると覚えやすいですよ!
I shall have to go now.(そろそろお暇しなくては)
アン王女とジョーのお別れのシーンで使われているセリフです。かなり丁寧な表現ですので、日常使いをするなら「I have to go now」「I’ll be leaving」くらいの表現の方がナチュラル。そもそもshallが普段はあまり使わない丁寧な言い方ですので、アン王女ならではの言葉づかいですね!
Your Excellency, I trust you will not find it necessary to use that word again. Were I not completely aware of my duty to my family and to my country, I would not have come back tonight… or indeed ever again!(私が王族や国家への義務を知らなかったとしたら、私は今夜戻ってはこなかったことでしょう。今夜だけではなく、永遠に)
こちらはアン王女のスピーチです。とてもかしこまった丁寧な英語表現に仕上がっています。
たとえば「Your Excellency」、こちらは各国の閣下や大使など、政府要人に対して使われる敬称です。日常的にはまず使わない表現でも、知っておくと映画をより深く理解しながら観れるようになりますね!
『ローマの休日』以外で初級者におすすめの映画
最後に、今回ご紹介した『ローマの休日』以外で初級者さんが英語学習に活用しやすいおすすめの映画をご紹介しましょう。
- 『オズの魔法使い』
- 『魔女の宅急便』
- 『塔の上のラプンツェル』
子供も楽しめる作品は、どれも表現がシンプルです。名作も多いので、内容もしっかり楽しめるのがうれしいですよね。英語に慣れない内は丁寧な表現・カジュアルな表現などの見分けがつかないと思いますが、まずはどんどん使ってみましょう!
相手が講師なら適切な表現に直してくれますし、友達でもあまりに丁寧過ぎる・カジュアル過ぎるときには指摘してくれるでしょう。私も実際にそうやっていろいろな表現を身につけてきましたので、失敗を恐れず、インプットした英語はアウトプットして定着させていってくださいね。