
2008年に公開されたバットマンシリーズの映画『ダークナイト』は、映画マニアからの人気も高い作品ですよね。80年代のゴッサムシティを舞台に、アーサーがジョーカーへと変わっていく生き様を描いています。『ダークナイト』のように誰かの人生を色濃く描いている作品は、「英語で理解したい!」と思う方も多いはず。
そこで今回は映画『ダークナイト』のセリフで日常的に使える英語表現を学びながら、より繊細なニュアンスで作品を理解していきましょう!
映画『ダークナイト』の英語は中級者向け!
さて、映画で英語を学ぶならレベルに合っているかどうか?が重要なポイントですよね。『ダークナイト』に関しては中級者以上向けと言えるでしょう。
- シチュエーションの幅が広い
- セリフが淡々と話されるシーンも多い
- 言い回しが独特なセリフが多い
シーンが一気に変わることが多い作品ですので、内容を先に理解しておかないと、特に初級者さんは「今なんの話をしてるんだろう……?」となかなか理解が追い付きません。また、使われている単語・表現のレベル云々より、全体的に登場人物の話し方が淡々と進んでいくのも注目すべきポイント。
これがたとえばコメディ映画なら、話し方にも抑揚が目立つため、より分かりやすいんですね。こうした点から『ダークナイト』を全編通して英語学習に活用するなら、中級者以上がおすすめ。
ちなみに『バットマン』や『ダークナイト』だけではなく、映画やゲームにたびたび登場する「Gotham City」。実はゴッサムとは、アメコミ会社が作った架空の都市です。″治安の悪さ″を伝えるときに使うと伝わりやすいかもしれませんね!(そんな会話はあまり無いかもですが…笑)
映画『ダークナイト』で初級者が学習するコツ
中級レベル以上におすすめとお伝えしましたが、もしあなたがジョーカーファンで映画『ダークナイト』を何度も見ているなら、初級者さんでも学習に使えます!その場合にはいくつかコツがあるので、おさえておいてくださいね。
- 短いフレーズを覚える
- 先に英語セリフを学習した上で観る(聞き取る)
とてもシンプルですが初級者さんはこの2点をおさえるのがコツ!この後初級者さん向けに『ダークナイト』の短いフレーズをご紹介しますので、先に学習しておきましょう。その上で映画を観て、実際に聞き取れるかどうかにチャレンジしてみてください。
その際、どんなシチュエーションでどんな言い方(発音)がされているのか?を意識すると、自分の英語として定着していくはずです。レベルに合った作品を選ぶのも大切ですが、やっぱりお気に入り作品を活用してみたいですよね。
ぜひ、『ダークナイト』で楽しみながら英語を吸収していってくださいね!
映画『ダークナイト』のセリフに学ぶ英語表現【初級】
That’s more like it(本物のご登場だ)
本物のバットマンを見つけたマフィアが言うセリフです。字幕では「本物の登場だ」と意訳されていますが、実はこのフレーズはネイティブがよく使う決まり文句で、「そうこなくっちゃ!」的なニュアンスで使われています。
We made it(たどり着いた)
主人公ジョーカーの口癖で、「(ようやく)辿り着いた」「(物事が)うまくいった」の意味で使う日常会話表現です。
- We made it to the movie.(映画に間に合ったね)
- I made it! My presentation passed.(やったよ!プレゼンが通った)
- Can you make it to the night out this weekend?(週末、夜遊べそう?)
このように、間に合う・うまくいく・都合がつく、などいろいろなシチュエーションで通じる表現ですので、ぜひ使ってみましょう!
I’ll do it(私がやろう)
フェリーで起爆装置をどうするかやり取りしているシーンでのセリフです。特別カジュアル過ぎたり丁寧すぎたりする表現ではありませんので、いろいろなシチュエーションで使るフレーズ。役割分担が決まらないときに率先して手を挙げる時や、仕事のタスクを担う時などに使ってみましょう!
映画『ダークナイト』のセリフに学ぶ英語表現【中級】
All of us who stood by and let scum take control of our city.(我々が悪をのさばらせる限り、彼が必要だ)
バットマンの是非を語るハービー・デントのセリフです。「誰がバットマンを支持したんだよ」というトピックに対してのセリフで、直訳は「彼を頼る俺たちみんなだ、そしてクズどもを掌握させるんだ」でしょう。scum(クズ)やtake control of (制御する/掌握する)などはおさえておきたいポイントですね!
I’m not a monster…I’m just ahead of the curve(俺はモンスターじゃない。先が読めるだけだ)
バットマンと対峙したときに使われたジョーカーのセリフです。be ahead of the curveには、「問題を先回りする」「時代を先取りする」「先手を打つ」などの意味があります。他の映画やドラマでも時々使われているので、ぜひチェックしてみてくださいね!
I took Gotham’s white knight. And I brought him down to my level.(ゴッサムの“光の騎士”を俺たち悪党のレベルに落としてやった)
ジョーカーの名セリフのひとつですが、「bring down」は他の映画や音楽の歌詞などでもよく使われていますよね。「がっかりさせる」の意味で覚えている方が多いと思いますが、価格を下げる・災難をもたらすなどの意味でも使えるイディオムです。
See, madness, as you know is like gravity. All it takes is a little push.(狂気は重力のようなものだ。人はひと押しで落ちてく)
こちらは『ダークナイト』らしい、比喩的なセリフですね。「gravity」の代表的な意味は「重力」ですが、「the gravity of the situation(事の重大さ)」「bed gravity(布団から抜け出せない)」など、使えるスラングにも活用されているので覚えておきましょう!
Have you ever had to talk to the person you loved most… tell them it’s gonna be all right, when you know it’s not?(最愛の人に言ったことがあるか?…大丈夫じゃないときに″大丈夫だ″と)
映画終盤で使われているハービー・デントのセリフです。こうした意味そのものは簡単なセリフは、細かく文法を紐解いていくのに分かりやすいのでおすすめ!たとえばスラッシュで区切ってみる、that節に出来る部分を見つけてみる、to不定詞を見つけてみる、似たような表現との違いを考える……など、中級者さんはより幅広い視点でセリフを見ると学習が深まりますよ。
まとめ
世界中でさまざまな考察がされているほど大人気の映画『ダークナイト』。字幕もすばらしいですが、英語をそのまま理解できたらもっと面白いですよね!『ダークナイト』には日常で使えるフレーズもたくさん含まれているので、ぜひ理解を深めながら英語学習に活用してみてください。