映画『E.T.』で英語を学んでみよう

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1982年に公開されたスティーヴン・スピルバーグ監督の名作『E.T. the Extra-Terrestrial(E.T.)』は、宇宙から地球に迷い込んだ小さなエイリアンと、少年エリオットの心の交流を描いたファンタジー映画です。公開当時、世界中で大ヒットを記録し、「友情」や「純粋な心」をテーマにした物語は今なお多くの人々に愛されています。自転車で月をバックに飛ぶシーンは、映画史に残る名場面としてあまりにも有名ですね。

英語学習の観点から見ると、登場人物が子どもであるため 比較的やさしい英語表現(初級〜中級向け) が多く出てきます。E.T. のセリフは不完全ですが、逆に「シンプルでも伝わる」という英語学習の励みになります。


“E.T. phone home.”

映画の中で最も有名なセリフといえば、やはりこれでしょう。

“E.T. phone home.”
(E.T. おうちに電話する。)

不完全な英語でありながらも、E.T. の純粋な願いが込められた一言です。エリオットとその仲間たちが必死で彼を守ろうとする動機づけにもなり、このセリフは映画全体を象徴するフレーズとなっています。

日本語字幕では「E.T.、おうち、電話」といったシンプルな訳で表現されました。子どものようにたどたどしい英語だからこそ、キャラクターの可愛らしさを伝えやすいのです。
また「home」という単語は単に「家」ではなく、“帰るべき場所・居場所”を意味します。したがってこのセリフには「本当の場所に帰りたい」という切ない気持ちがにじみ出ています。

“I’ll be right here.”

もうひとつ忘れられないのが、ラストでE.T. がエリオットに別れを告げるときのセリフ。

“I’ll be right here.”
(ずっとここにいるよ。)

E.T. が自分の指先をエリオットのおでこに当てながら言うこのセリフは、観客の心を一気に揺さぶります。「距離は離れても、心はいつも一緒だ」という普遍的な友情や愛情のメッセージが込められています。
このセリフはシンプルですが、英語の響きそのものが温かく、まさに映画史に残る名言のひとつです。
right here という表現は「まさにここに」「今ここに」という強い確信を込めています。

英語表現としてのワンポイントアドバイス

“E.T. phone home.”
このセリフで注目すべきは 省略と語順の不完全さ。本来なら I want to phone home.(家に電話したい)や I will phone home.(家に電話する)と言うところを、E.T. は「主語」や「助動詞」を省いた不完全な形で話しています。
英語学習者にとって大切なのは「完璧でなくても伝わる」ということ。
文法的に正しくなくても、相手が理解できれば立派なコミュニケーションなのだと教えてくれる例です。

“I’ll be right here.”
be right … は「まさに〜にいる」という強調表現。友達に「すぐ行くよ!」と言いたいときは I’ll be right there. が便利です。

短いフレーズでも感情を込めれば、ネイティブらしい自然な表現になります。

まとめ

『E.T.』はファンタジー作品でありながら、友情や思いやりといった普遍的なテーマを描き、子どもから大人まで楽しめる映画です。

英語学習におすすめの理由は3つ。
1.シンプルな表現が多い
 登場人物が子ども中心なので、使われる英語は難解ではなく日常的な言葉が多いです。
2.感情がはっきりしている
 「寂しい」「楽しい」「怖い」といった気持ちがわかりやすく、英語の意味を推測しやすいのが特徴です。
3.短いセリフでも印象に残る

“E.T. phone home.” や “I’ll be right here.” のように、たった数語で深い意味を持つフレーズが多く、学習者にとって復習しやすいです。
そのため『E.T.』は 英語初級〜中級者に特におすすめ の映画です。セリフを丸ごと覚えて使うだけでも、日常会話の幅がぐっと広がります。
何十年経っても色褪せない名作から学ぶ英語は、ただの勉強を超えて「心に残る言葉」になるはずです。

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