映画『コンテイジョン』のセリフに学ぶ英語のイディオム

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2011年公開の映画『コンテイジョン』は、2020年に入って再注目されている作品。というのもその内容が、私たちが今まさに直面している新型コロナウイルスの状況とそっくりなんです。ウイルスが感染していく様や、ロックダウンされた町の様子……英語学習の視点からも、タイムリーな表現がたっぷりと含まれた映画です。

今回は映画『コンテイジョン』から、今すぐ使える単語やフレーズを学習ポイントとともに解説していきます!

映画『コンテイジョン』のあらすじ・英語学習におすすめの理由

香港出張からアメリカに帰国したベスは体調を崩し、2日後に亡くなる。時を同じくして、香港で青年が、ロンドンでモデル、東京ではビジネスマンが突然倒れる。謎のウイルス感染が発生したのだ。新型ウイルスは、驚異的な速度で全世界に広がっていった。引用:ワーナー公式

世界中に広がる新型ウイルスや、パニックになる人々の様子、米国疾病対策センター世界保健機関(WHO)、淡々と進む作品ながらも見る人をゾッとさせる『コンテイジョン』。

感染症がテーマのため専門用語は多いのですが、その点こそがおすすめしたいポイントにも。専門的なテーマが決まっている映画やドラマでは、何度も同じ単語が出てくるんですね。

そのため最初から字幕なしは難しくても、一度調べれば意外と分かりやすく、ひとつの作品を通して単語の反復学習も実現します。また、同じ単語でもシチュエーションや文脈によって使い方が異なるのも、『コンテイジョン』をおすすめしたい理由です。

映画『コンテイジョン』は英語力中上級者におすすめ!

  • 会話レベルは中上級向け
  • 発音は聞き取りやすい
  • 専門用語多め

感染症がテーマの作品ですので、専門用語が多く、全体的な難易度としてはやや高め。TOEIC700点台の中級者でも、なかなか最初からすべて理解は難しいでしょう。

ただ、キャスト達の話すスピードはそれほど速くなく、意外と聞き取りやすいんですね。そのため事前に専門用語をおさえておけば、リスニングやディクテーションには活用しやすいのではないでしょうか。

『コンテイジョン』でおすすめ!学習の進め方

  1. 感染症に関する単語をざっくり調べておく
  2. 最初に通しですべて見る
  3. 理解できたシーンから勉強を始める
  4. 覚えた単語やフレーズを実際に使う
『コンテイジョン』はコロナが流行っている今だからこそ、時事ネタ表現が学べる作品としてもおすすめです。たとえばオンライン英会話を利用している人は多いと思いますが、講師とのフリートークでは「そっちはコロナどう?」から入るのが当たり前になってきましたよね。やはり時事ネタの英語表現はタイムリーにおさえていくと、すぐ活用できるので身につきやすいです!

映画『コンテイジョン』のセリフから学ぶ英会話表現

Sometimes people can be contagious without having symptoms.(感染しても症状が出ない人もいる)

重要単語

  • contagious:感染しやすい
  • symptoms:症状

映画の原題である『contagion』は、「感染」の意味を持つ名詞ですが、contagiousは形容詞で「感染しやすい」の意味になります。まさにいま使える表現として覚えておきましょう!

例文:How contagious is a new variant?(新しい変異株の感染力は?)

So we have a virus with no treatment protocol, and no vaccine at this time. (じゃあ、今の所はウイルスに対して適切な治療法もなければ抗体もないってことだ)

重要単語

  • virus:ウイルス
  • vaccine:ワクチン

virusとvaccineに関しては発音がカタカナ英語とはまったく異なるので要注意!

例文:Have a vaccine(ワクチンを打つ)

例文:I have side effects from vaccine(ワクチンの副反応が出ている)

The incubation period is less than that.(潜伏期間はもっと短い)

重要単語

  • incubation period:潜伏期間

コロナ関連でよく使われている表現のひとつが、「incubation period」です。基本的にはウイルス感染症にしか使いません。

例文:incubation period for COVID-19 is thought to extend 14days(新型コロナウイルスの潜伏期間は長くて14日と考えられます

The border is sealed. The governor has declared.(州境は封鎖されたと政府が発表した)

重要単語

  • governor:政府
  • declar:宣言する

映画『コンテイジョン』のセリフでは、be sealed(~が封印される)で州境の封鎖を伝えていますが、コロナ関連では私たちもよく耳にする「ロックダウン」がそのまま英語で通じます。ただし、英語における「lockdown」は都市封鎖だけに限りません。

例文:Shopping mall in lockdown after shooting(銃撃がありショッピングモールが封鎖)

例文:Huwan has been on lockdown since January.(武漢は1月からロックダウンされている)

Cook your samples. Destroy everything. We can’t risk it.(検体はぜんぶ加熱処理して。危険は冒せない)

このセリフでは「risk」が動詞で使われているのがポイントですね。意味自体は変わらないのですが「take a risk 」「have a risk」など名詞として使うとき以上に、自ら積極的にリスクを取りに行くイメージで、ニュアンスがやや異なります。

例文:She is risking her life.(彼女は命がけだ)

ちなみにriskにはさまざまな使い方があるのも、覚えておきましょう。

  • take a risk:危険を冒す
  • at  risk:危険な状態にある
  • carry a risk:リスクがある、危険性が伴う
  • risky:危険な(形容詞)

もちろん新型コロナウイルスに関するニュースにも多く出てくる単語ですので、どのような文章のときにどの使い方がされているかを探してみてくださいね!

I definitely infected other people.(きっと誰かに移した)

「infect(感染する(移す))」の使い方も覚えておきたいポイント。

  • be infected:感染している状態
  • get infected:感染へと変わる状態

微妙な違いですが、「I am infected(感染した)」「I don’t want to get infected(感染したくない)」のように使います。

まとめ

再び注目を集めている映画『コンテイジョン』は、英語学習としても中上級者が活用しやすい作品です。

  • 専門用語が繰り返されるため新出単語を覚えやすい
  • 時事ネタとして使えるので即アウトプットできる

全体的にどんよりと暗いため楽しい映画ではありませんが(笑)、ぜひ専門用語のインプット教材として使ってみてくださいね!

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