映画『プリティ・ウーマン』のセリフに学ぶ英語のイディオム

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1990年公開の映画『プリティ・ウーマン(Pretty Woman)』は、ゲイリー・マーシャル監督によるラブストーリー。主演はリチャード・ギアとジュリア・ロバーツ。

ストーリーは、冷徹な実業家エドワードと、偶然出会った娼婦ヴィヴィアンの恋物語。身分も価値観も異なる二人が互いに惹かれ合い、やがて「本当に大切なものは何か」を見つけていくシンデレラストーリー的作品です。公開と同時に大ヒットし、今もロマンティック映画の代表格とされています。

“Big mistake. Big. Huge!”

 


本作の中でも特に有名なのが、ジュリア・ロバーツ演じるヴィヴィアンが高級ブティックで放ったこのセリフ。

“Big mistake. Big. Huge!”
(大きな間違いよ。ものすごく大きな!)

ブティックで見下されて追い返された彼女が、その後たっぷりの買い物をして戻り、皮肉たっぷりに言い放つシーンです。自分を侮った人々に向かって放つ痛快な一言は、観客の胸をスカッとさせる名場面として語り継がれています。
このセリフの面白いところは、文をあえてぶつ切りにして強調している点です。通常なら That was a big mistake. と一文で言えるところを、リズムを効かせて「Big mistake. Big. Huge!」と畳みかけることで、ヴィヴィアンの痛快さと自信が際立っています。

もう1つ取り上げたいのは、物語の終盤、ヴィヴィアンがエドワードとの未来を想像して語るセリフ。

“So what happens after he climbs up and rescues her?”
(それで、彼が塔をよじ登って彼女を救った後はどうなるの?)

これはおとぎ話のお姫様と王子様をなぞらえた言葉で、「救われるだけで終わりじゃない。その後に本当の人生がある」という彼女の気持ちを表しています。
シンデレラ的な物語の枠を超え、ヴィヴィアンが“自分自身の人生をどう生きるか”を考え始めた瞬間でもあるんです。

字幕では「それで王子様が彼女を助けた後はどうなるの?」といった表現で訳されていますが、原文の「after he climbs up(彼がよじ登った後)」には、ただの救出劇ではなく“努力や困難を乗り越える”ニュアンスが含まれていて、二人の関係を象徴しています。

英語表現としてのワンポイントアドバイス

So what happens after …?
 会話で「その後どうなるの?」と未来を想像するときにとても自然なフレーズ。
 例:So what happens after graduation?(卒業した後はどうするの?)

climb up and rescue
 直訳は「よじ登って救う」。物理的な意味以外にも「困難を乗り越えて助ける」という比喩的な表現に使われます。

まとめ

『プリティ・ウーマン』はシンデレラストーリーでありながら、主人公ヴィヴィアンが「救われる存在」から「自分の人生を選ぶ存在」へと変わっていく姿を描いています。

英語学習者にとっては 中級者向け の映画。

理由は、
・会話のテンポが速く、洒落や皮肉も多い
・ビジネス英語からカジュアルな会話まで幅広く登場する
・とはいえ難解な単語は少なく、シンプルなフレーズが多い

そのため、リスニング力を鍛えたい方や「英語らしい言い回し」を学びたい方に特におすすめです。“Big mistake. Big. Huge!” のように、短い言葉をリズムよく繰り返す表現は英会話の実践にも応用しやすく、印象的なフレーズとして身につけやすいですよ。

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