
英語で映画を楽しむのは、多くの英語学習者にとって憧れですよね。実際、映画はすばらしい学習ツール。しかし特に初級者さんは、どの作品を選んでいいのか迷ってしまうのではないでしょうか?
好きな映画を選んだのに、「難しすぎて勉強にはならなかった……」となってしまう経験、私もあります。そんな方におすすめの作品が、ディズニーの大人気映画『ライオン・キング』!
今回は『ライオン・キング』で注目すべき英語学習のポイントをしっかりと解説していきます。子供から大人まで楽しめる作品ですので、家族で勉強するのもおすすめですよ!
それでは、いってみましょう!
映画『ライオン・キング』のあらすじ・おすすめの理由
画像引用:THE LION KING公式Facebookページ
命あふれるサバンナの王国プライドランド。未来の王<シンバ>は、ある“悲劇”により父<ムファサ>を失い、王位を狙う闇に生きるライオン<スカー>の企みにより王国を追放されてしまう。新たな世界で彼は仲間と出会い、“自分が生まれてきた意味、使命とは何か”を知っていく。王となる自らの運命に立ち向かうために―。引用:ディズニー公式
1994年に公開された『ライオン・キング』は、88分の作品です。ディズニーならではのカラフルな映像美と、テンポの良さで楽しみながら英語学習ができるはず!
おすすめの理由①作品が短い
映画で英語を学習する方法はいくつかありますが、全編通しで視聴しながら進めたいなら、作品の短さは重要なポイント!特にまだ英語に慣れていない内は、英語力以前に「英語への体力」が備わっていないんですね。88分の『ライオン・キング』くらいの長さなら集中力も続きやすく、何より飽きる前に終わります。
また『ライオン・キング』はミュージカルやアクションのシーンも多く、作品内の会話量としても適度に少なめ。初級者さんが英語学習に映画を活用する際には、集中できる長さかどうか・理解しやすいボリュームかどうか、をチェックしてくださいね!
おすすめの理由②初中級レベルの英語表現
『ライオン・キング』全体の英語レベルは、初級~中級程度。一部、やや専門的な単語が使われるシーンはあるものの、中学英語で十分カバーできる語彙・文法で作られています。他のディズニー作品と比べても単語の難易度が低いです。
またこれはディズニー作品に共通する特徴でもありますが、「誰が」「何を」しているのか、動きと表情だけでも理解しやすいんですね。悪役はいかにも悪役の顔ですし(笑)そのため例え言葉が理解出来なくても、話そのもののイメージや理解はスムーズに出来ます。いくら英語学習とはいえ映画ですから、内容が入ってこなければ楽しくありません。この辺りも作品選びの際に重視したいポイントですね!
映画『ライオン・キング』で初級者が英語学習するポイント
- 名言と日常表現は分ける
- 1つひとつ丁寧に学習を進める
まず『ライオン・キング』のような作品には、いわゆる名言らしい名言が多いですよね。もちろん名言からも語彙や文法は学べるのですが、日常会話の表現とはやはり違います。
たとえばこの映画とは関係ないですが「少年よ、大志を抱け」など有名な名言で考えてみると分かりやすいと思います。良い言葉ではあるものの、日常会話として応用するにはちょっと難しいですよね。なぜなら名言はそのまま使ってこその言葉だから。
映画から日常会話を学びたいなら、名言と日常表現は分けて覚えましょう!
次に1つひとつ丁寧に学習を進めることについて。これは初級者のみならず中級者さんにも言えることなんですが、「ざっくりと内容を理解する」で終わらせず、学習するためにピックアップしたセリフを丁寧に分解し、使われている単語の品詞や文法、文章の構造までノートに書いていくのをおすすめします。
「気の遠くなる作業だな……」と感じるかもしれませんが、何も全編通して一気に進める必要はないんです。気になるシーンだけでも良いですし、覚えたいセリフを1~2文ずつでも十分!最初はそのくらいのペースで、とにかく丁寧に英語と向き合っていきましょう。
映画『ライオン・キング』で英語を学んで見よう
画像引用:THE LION KING公式Facebookページ
ここからは、『ライオン・キング』の作品内で実際に使われているセリフから、英語を学んでみましょう。記事内で全ては紹介できませんので、「こうやって学習するんだな」という感覚をつかんでくださいね!
主人公シンバが父ムファサに叱られるシーン
内緒で冒険へ出かけたシンバが危険な目に遭ってしまい、その身勝手な行動に父ムファサが叱るシーンです。
-Simba, I’m very disappointed in you.(シンバ、お前には本当にがっかりしたよ)
– I know.(わかってる)
-You could’ve been killed. You deliberately disobeyed me, and what’s worse, you put Nala in danger.(お前は殺されていたかもしれないんだ。意図的に私に逆らい、何よりお前はナラを危険にさらしたんだ)
まずは単語からチェック。
- disappoint(動詞):がっかりする、失望する
- kill(動詞):殺す
- deliberately(副詞):故意に、意図的に
- disobey(動詞):背く、従わない
ここまでチェックしたら、次はそれぞれの単語がどのような構造で使われているかを見てみます。disappointを例に挙げると「I’m very disappointed in you」ですね。
very(とても)は無くても成立しますので、いったん省いて考えます。そうすると、「be動詞+動詞の過去形」になっているのが分かります。「be動詞+動詞の過去形」は「受動態(~させられる)」の意味。「be disappointedはがっかりした」と丸暗記するよりも、構造をきちんと落とし込むことで、試験などでも「ここは原形だっけ?過去形だっけ?」と迷わなくなりますよ。
ティモンとブンバの会話シーン
-He looks blue.(彼はブルーに見えるね)
-I’d say brownish gold.(茶色がかった金色じゃない?)
-No, no, no. I mean he’s depressed.(ちがうって、落ち込んでるって意味!)
まず気づいた方もいると思いますが、he’s depressedは先に挙げた「be動詞+動詞の過去形」です。こんな単語や表現にも使えるんだな~と肌で感じながら反復学習できるのが映画で英語を学ぶメリット!
さてここでは、単語ではなく気になる英語の言い回しをチェック。(もちろん分からない単語があったら調べてくださいね)
- look:見える
- I’d say:~だと思う
- I mean:つまり、ていうか等
「~だと思う」で代表的な表現は「I think」ですが、「I’d say(I would sayの略)」の方がやや控えめで柔らかい印象を与えます。たとえばWhat do you think?で意見を求められたとして、決定的な言い切りは避けて答えたい場面などでよく使えますよ。
まとめ
たった数秒のシーンでも、丁寧に学ぶと意外と時間がかかるもの。意味を調べ、構造を分解し、さらにこの作業にリピート練習やシャドーイングを加えると、1時間なんてあっという間です。
映画で英語を勉強するのは、想像以上に根気のいる作業なんですね。しかしいかに掘り下げて徹底的に落とし込んでいけるかで、インプット量は大きく変わります!
1つの作品が素晴らしい学習教材になるかどうかは、あなた次第ということ。もちろん、たまにはリラックスしてぼ~っと英語のリズムを楽しむ時間も作ってくださいね☆