
映画好きからも英語好きからも評判の良い『プラダを着た悪魔』ですが、実は結構難易度の高い英語レベルなんです。とはいえ、使えるフレーズ・学べる文法や構造はもりだくさん!
今回は『プラダを着た悪魔』の中でも、実際に英語学習におすすめ出来るシーンをご紹介しつつ、英語学習の視点から本作の魅力に迫ります。
『プラダを着た悪魔』のあらすじ
画像引用:The Devil Wears Prada公式Facebook
大学を卒業し、ジャーナリストをめざしてNYにやってきたアンディ。オシャレに興味のない彼女が、世界中の女性たちが死ぬほど憧れる仕事を手にしてしまった!それは一流ファッション誌”RUNWAY”のカリスマ編集長ミランダ・プリーストリーのアシスタント。しかし、それは今まで何人もの犠牲者を出してきた恐怖のポストだった!ミランダの要求は、悪魔的にハイレベル。朝から晩までなり続けるケイタイと横暴な命令の数々、その上、「センス、ゼロ!!」と酷評され、アンディはこの業界が努力とやる気だけでは闘えないことを思い知らされる。キャリアのためとはいえ、私生活はめちゃめちゃ。カレの誕生日は祝えないし、友達にも愛想をつかされる。この会社で、このままでいいの?私って、本当は何をしたいんだっけ?引用:20世紀スタジオ公式サイト
メリル・ストリープ、アン・ハサウェイ主演のおしゃれさたっぷりな本作。2006年の公開から人気はずっと衰えませんね!
英語学習の視点からは、とにかくモチベーションが上がる内容。かっこいい世界で働き、かっこいい英語で話す……私もこんな風になりたい!と思わせてくれるので、やる気が低下しちゃってるときのエネルギーチャージにもおすすめな一作です。
『プラダを着た悪魔』の英語難易度は?中級以上におすすめ!
冒頭で触れたとおり、『プラダを着た悪魔』の英語難易度はやや高め。
- 話すスピードが速い
- 内容がむずかしい(専門用語たくさん)
- 遠まわしな独特表現もあり
まず全体的に会話スピードが速く、ファッション業界のよく分からない専門用語もたくさん出てきます。初級者さんではなかなか付いていけないと思いますので、英語学習にするならもう少し易しい作品の方がおすすめ。
一方で、中級者さんにとっては手ごたえあるリスニング素材となってくれるでしょう。
『プラダを着た悪魔』でのおすすめ英語学習法
どんな映画でも、英語学習に活用するなら同じシーンやセリフをくりかえし、徹底的に真似するのが基本です。しかし作品によって難易度も異なれば、学習できる要素も違いますよね。『プラダを着た悪魔』は、ビジネス表現の使い方をしっかりと抑えてからの発話練習がおすすめ!その点を意識して、以下の流れでチャレンジしてみてくださいね。
- 気になるシーン(5分以内)を選ぶ
- 字幕なしでディクテーションをおこなう(最高3回まで)
- 字幕を見ながら単語を調べる
- 気になる単語が使われている文章の構造を確認する
- リピート練習をおこなう
- オーバーラッピングをおこなう
- シャドーイングをおこなう
映画で英語学習する際には、全編通してではなく、数分程度のシーンで深く丁寧に学ぶ方が効果的。『プラダを着た悪魔』に関しては難易度が高く中級以上におすすめの作品ですので、最初からディクテーションを取り入れます。
最後のシャドーイングは何度でも、自分が納得できるまで行いましょう。この時、自分の発話を録音し、実際のセリフと比較しながらより丁寧に″本物″に近づけていくのがポイントです。
また、余裕がある日には自分の言葉で要約・出て来たフレーズを使って英作文にも取り組むと良いでしょう。アレンジを加えながら、3日程度は同じシーンをくりかえして練習してみてくださいね!
実際のスクリプトで英語学習にチャレンジ
それでは『プラダを着た悪魔』の前半、主人公アンディ(アン・ハサウェイ)が面接に行くシーンを使い、実際に学習を進めてみます。ディクテーションの後、字幕確認の箇所からです。
-Hi. Uh, I have an appointment with Emily Charlton?(どうも。エミリー・チャールトンさんと面接を約束しているのですが……)
-Andrea Sachs?(アンドレア・サックスさん?)
-Yes.(ええ)
-Great. Human Resources certainly has an odd sense of humor. Follow me.(なるほどね。人事部って変わったユーモアのセンスがあるのね)
-Okay, so I was Miranda’s second assistant, but her first assistant recently got promoted, and so now I’m the first.(ええと、私はミランダの第二秘書だったんだけど、最近第一秘書が昇進したから今はわたしが第一ってわけ)
-Oh, and you’re replacing yourself.(じゃあ、あなたの後任を探してるってことですね)
-Well, I am trying.(まぁ、そういうこと)
-Miranda sacked the last two girls after only a few weeks. We need to find someone who can survive here. Do you understand?(ミランダはここ最近の2人を、たった数週間でクビにしたわ。私たちはここで生き残れる子が必要なの。分かる?)
-Yeah. Of course. Who’s Miranda?(ええ、もちろん!……ミランダって誰です?)
-Oh, my God. I will pretend you did not just ask me that. She’s the editor in chief of Runway, not to mention a legend.(うそでしょ、聞かれなかったことにする。彼女は雑誌ランウェイの編集長で言うまでも無いほどのレジェンドなの)
このシーンの重要単語
- Human Resources(名詞):人事部
- promote(動詞):昇進する
- replace(動詞):後任する、代わる
- sack(動詞):~をクビにする
- editor in chief(名詞):編集長
- not to mention:言うまでもなく
まずはこのように、単語の品詞と意味を調べ、その後で各単語がどのような使い方をされているか文章の構造を見ていきます。今回は「replace」を例に挙げましょう。
取り換えるなどの意味もある言葉ですが、話の流れから「replace A(Aの後任になる)」であると分かります。しかしセリフのyou’re replacing yourself.は、直訳すると少し訳が分からないですよね。
エミリーが後任を探しているのは第二秘書のポジション、つまりエミリーが動いたことによって出た空きです。「あなたがいたポジションの後任を探しているのですね」と意味が通じます。
このように少しややこしい言い回しも直訳から丁寧に考えて、なぜこの言い方になったのか?を探ってみてください。この作業によって、「こんな言い方も出来るんだ」という新しい発見が、しっかりとあなたの言葉として落とし込めますよ!
まとめ
難易度は高くてもどんどん活用していきたい映画『プラダを着た悪魔』。この作品のスピードに慣れたら、他の作品もスムーズに聞き取れるようになるはず。
ぜひ、中級以上の英語学習教材として活用してくださいね!