
ウィル・スミスが主演のラブコメ『最後の恋のはじめ方(HITCH)』は、英語学習素材としては中級者におすすめの映画です。キャスト達が話すセリフの鮮明度は高いものの、スピードはやや速め。
「ネイティブのリスニング速度に慣れたい」「文法やイディオムをもっと上手に幅広く使いこなしたい」と思っている中級者さんにとっては、手ごたえのある教材となるでしょう。
ここからは映画『最後の恋のはじめ方』で英語を勉強したい方に向けて、学習時のポイント・実際のセリフに学ぶ英語表現をご紹介していきます!ぜひ、視聴前の予習として活用してくださいね。
『最後の恋のはじめ方(HITCH)』は中級者の英語学習におすすめの映画!
なぜ、英語学習という視点で『最後の恋のはじめ方』は、中級者におすすめの作品と言えるのでしょうか?その理由は、こちら。
- ネイティブの日常会話レベル
- 理屈っぽいセリフも多め
- ウィル・スミスの英語がかっこいい!
全体的な難易度としてはそれほど高くありませんので、TOEIC700程度の中級者なら最初から字幕なしでのチャレンジでも理解できるでしょう。ただ、『最後の恋のはじめ方』はデートコンサルが主人公で、言い回しが独特だったりちょっと理屈っぽいセリフが多かったりするんですね。
そのため、使われている単語自体は難しくなくても「ん?結局どういう意味なんだろう……?」とつまずくシーンも。そのようなセリフに出会ったときには、
- イディオムがどのようなニュアンスで使われているのか
- 文法的構造
この2点に注目すると、英語学習として上手に活用できる作品です!
あとは主演のウィル・スミスの英語がとにかくおしゃれでかっこいいのも、おすすめポイント。映画やドラマから英語を勉強するときには、自分が憧れる話し方をする役者を見つけるとモチベーションが上がりますよ!
『最後の恋のはじめ方(HITCH)』のセリフに学ぶ英語表現
Basic principles. No woman wakes up saying ”God, I hope I don’t get swept off my feet today.”(原則として。「いい男なんかいらない」と思う女は、まずいない)
- principle:原則、法則
- wake up doing:~して目を覚ます
- sweep off one’s feet:~を夢中にさせる
このセリフは良い具合に意訳されていますね!直訳すると「基本原則として、″ああ、今日は誰かに夢中になりませんように″と言いながら目を覚ます女性はいない」なんです。
「sweep off one’s feet」が注目ポイントで、これは海外ドラマなどのロマンスでよく出てくるイディオム。「誰かを一気に夢中にさせる」ニュアンスを持ちます。
例文②:I’m wondering how he swept that girl off her feet.(彼はどうやってあの子を夢中にさせたんだろう)
このように「sweep 〇〇 off one’s feet」の形でも使います。
Now, she might say… ”This is a really bad time for me.”(「タイミングがちょっと悪い」とは言うかもしれない)
ネイティブが好んで使う「might」のような助動詞(should could may might…)ですが、意外と日本人が使いこなせていない英語のひとつではないでしょうか?というのも、学校で習う助動詞とネイティブの感覚がまったく違うんですよね。
たとえば「should」を、私たちは「~すべき」として習ったはず。しかし実際には、「~だろう」「~のはずだ」「~だったのに」等々たくさんの使い道がある言葉です。そしてもう一点、助動詞は文脈に主観的な感情を加えるものとして出来るだけ″主張の強さ″を正確に捉えていくと、覚えやすいですよ!
- must(~なはず):主観の強さ★★★★★
- should(~なはず):主観の強さ★★★☆☆
- may(~かもしれない):主観の強さ★★★★☆
- might(~かもしれない):主観の強さ★★☆☆☆
日本語は「~なはず」も「~かもしれない」も、強さで言葉自体が変化はしませんよね。どちらかと言えば、文脈や声色で強さを意識することの方が多いでしょう。しかし英語はより明確な言い方があり、それが助動詞の面白さでもあります。
60% of all human communication is nonverbal. Body language. (人間のコミュニケーションの60%は言葉じゃない。ボディランゲージだ)30% is your tone.(30%は声のトーン)So that means that 90% of what you’re saying ain’t coming outta your mouth.(つまり、会話の90%は言葉じゃないってこと)
ちょっと長いセリフですが、ここでの注目はイディオムが使われている3文目「So that means that 90% of what you’re saying ain’t coming outta your mouth」の部分です。
- outta:out ofの短縮形
- come out of A:Aから出てくる
「coming outta (out of)your mouth(口から出てくる)」、つまり「言葉」ですよね。イディオムからどのようにつながるのかを見つけると文章の全体が見やすくなりますよ。さらに、that節などが使われている長文を訳すときには、返り読みせず、前から順番に訳すのが鉄則!
So(だから) that means(その意味は) that 90% (90%)of what you’re saying(何を言っているかの) ain’t(じゃない) coming outta(出てくる) your mouth(口から).
これくらいざっくりとで良いので、長文は前からサクサク読んでいく癖をつけましょう。
Did you put him up to the inhaler?(あれもあなたがやらせたの?)
- put A up to~:Aに入れ知恵をして~をさせる
入れ知恵やそそのかす、などのニュアンスで使われるイディオムです。ちなみに「put up」だけなら「我慢する」の意味になりますので、注意してくださいね!
まとめ
映画で英語を勉強しようと思っても、なかなかスムーズに進まないときの方が意外と多いですよね。一気にまとめて視聴するのではなく、数分程度のシーンで区切りながら、毎日少しずつ進めていくと新たな英語表現をしっかりと定着させられますよ。
また、映画で覚えた表現はなるべくすぐにアウトプットしていきましょう!オンライン英会話や日常のビジネスシーンなど、「このセリフはどんなシチュエーションで使えるのか」も考えると使いやすいですね。