
2010年公開の『アリス・イン・ワンダーランド(Alice in Wonderland)』は、ルイス・キャロルの名作をティム・バートン監督が映像化したファンタジー映画。主演はミア・ワシコウスカ(アリス)、そしてジョニー・デップが奇妙でユーモラスな「マッドハッター」を演じています。
物語は、成長したアリスが再びワンダーランドに迷い込み、独裁的な赤の女王に支配された世界を救う冒険に挑むというもの。ヴィジュアルの美しさと幻想的な雰囲気、そしてティム・バートンらしいダークファンタジーの味付けが楽しめます。
英語学習の観点では、不思議な言い回しやユーモラスなセリフが多く、日常会話というよりも「比喩表現・言葉遊び」を楽しみながら学べる作品です。
“You’re entirely bonkers. But I’ll tell you a secret. All the best people are.”
(君は完全にイカれてる。でも秘密を教えてあげよう。最高の人たちはみんなそうなんだよ。)
マッドハッターがアリスに語る名言。
・entirely bonkers:「完全におかしい/イカれてる」
・I’ll tell you a secret:「秘密を教えてあげるよ」
・all the best people are:「最高の人たちはみんなそうなんだ」
普通ならネガティブな bonkers を、「特別で素敵」という肯定的な意味に転換しているのが面白い表現です。
“Sometimes I believe in as many as six impossible things before breakfast.”
(朝食前に6つの不可能なことを信じることだってあるのよ。)
アリスの印象的な言葉。
・believe in …:「〜を信じる」
・impossible things:「不可能なこと」
・before breakfast:「朝食前に」
非現実的なことを楽しむ姿勢を表していて、アリスの想像力とワンダーランドの不思議さを象徴するフレーズです。
字幕と原文のニュアンス
・“You’re entirely bonkers.” → 「君はすっかりおかしい。」
・“All the best people are.” → 「最高の人はみんなそうなんだ。」
日本語では「おかしい=変人」ですが、英語では「型破り=魅力的」というポジティブなニュアンスが強調されています。
英語表現としてのワンポイントアドバイス
・bonkers はイギリス英語で「頭がおかしい」のカジュアル表現。ただし友人同士で冗談っぽく使うのが基本。
・sometimes I believe … の構文は応用範囲が広く、日常で「ときどき〜する」と柔らかく伝えるときに便利。
・この映画のセリフは少し幻想的なので、「直訳+比喩的な解釈」で味わうのがおすすめ。
この映画をおすすめしたい人
1. 原作のダークさや哲学性を楽しみたい人
ルイス・キャロルの世界には、本来「不条理さ」や「言葉遊びの毒」があります。
ティム・バートン版は、その側面をビジュアルやセリフでしっかり表現しているので、かわいらしさよりも「奇妙さ」や「陰影」を味わいたい人におすすめです。
2. 英語で比喩やユーモアを楽しみたい学習者
・“bonkers” のような日常的なスラング
・“impossible things” のような具体的ではない言葉
直訳だけでなく、言葉の「雰囲気」や「ユーモア」を味わう力を伸ばせます。
まとめ
『アリス・イン・ワンダーランド』は、不思議な世界観と個性的なキャラクターの言葉遊びを楽しめる映画。
英語学習的には 中級者向けです。
・日常会話の参考というよりも、比喩やユーモア表現に親しむ教材として最適。
・特に “bonkers” や “impossible things” のように、「一見ネガティブな言葉をポジティブに転換するセンス」が魅力。
不思議なフレーズに触れることで、英語を「意味だけでなく雰囲気で感じ取る力」も育てられる作品です。